KZ ZS5 レビュー イロモノと切り捨てることはできない、選択肢となりうる一本
前々から気になっていたこのイヤホン、たまたま試聴できる機会があったので聴いてみたらそのまま買っていました…。正直扱うのが難しいのですが…いつも通り書いていこうと思います。
KZ ZS5
発表当初、Twitterでもかなり話題となっていた印象があるKZ ZS5 。中華イヤホンの代名詞的メーカーであるKZ社のイヤホンですが、わずか40$程度で買えるイヤホンとしては正直オカシイとしか言いようがない片側に2DD2BAの4ドライバーを搭載しているという点だけではなく、そのデザインがCampfire Audioのイヤホンと類似しているという点でもかなり注目を浴びると同時に賛否両論あった記憶もあります。*1
Campfire Audio バランスド・アーマチュア型イヤホン NOVA 【国内正規品】 CAM-4792
- 出版社/メーカー: Campfire Audio
- 発売日: 2017/03/31
- メディア: エレクトロニクス
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私自身、気になってはいたものの、正直イロモノという印象が拭えなかったので購入は見送って様子見。ただ、聴ける機会があればなぁ…とは思っていました
そんな中、秋葉原の某専門店で偶然キレイな中古を発見。聴いてみたところ、ちょうどスマホの音ゲー用に普段使いのイヤホンが欲しかった(言い訳)ということもありそのまま購入していました。
外観
まずはイヤホン本体、本家Campfire Audioのイヤホンたちは拘ったマテリアルを使用していますがこのZS5は樹脂シェルです、価格を考えても当然でしょうね。
高級感はあまり感じませんし本体の造りもあまり良くないかなというのが正直な印象です、その辺は安い中華には求めてませんが。0.75mmの2ピン端子を採用しています。
Auglamour R8と
一時期ブームとなっていたAuglamour R8と並べてみました。ご覧の通りかなりZS5が大きいです。ただ重量感もそこまで感じないので装着感自体は普通かなといった印象、すごく良いというわけでもありません。少なくともステムの角度由来の装着性面での難があるR8よりは人を選ばない印象です。
付属品
イヤーピースはシンプルに一般的なシリコンのモノがS/M/Lの3サイズ。
純正ケーブルは低価格帯の中華イヤホンではおなじみのゴムっぽさが強い素材が使用されています。正直純正ケーブルの取り回しは良くありませんね。また、私が手に入れた個体はケーブルがリモコンマイク付きのモノ。手持ちの端末で動作確認してみたところiOS(iPhone 5s)、Android(Xperia Z5)ともに再生/停止・音量上/下が可能でした。Amazonではマイク付/無ともに同価格で販売されています。
KZ ZS5 高音質 2ダイナミック&2バランスド・アーマチュア 4ドライバ搭載 2pin 0.75mm イヤホン (グレーマイク無し)Wooeasy
- 出版社/メーカー: Wooeasy
- メディア: エレクトロニクス
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純正ケーブルで聴いてみた
(視聴環境:ONKYO DP-X1直挿し 主にアニソンを聴く個人の主観です)
まずは純正のケーブルで聴いてみました。
音楽を流してまず初めの第一印象としては、「意外とマトモな音だ」というもの。マトモな音という驚き方をするのもどうかとは思いますが、実売5000円以下で2BA2DD構成という常識では考えられない無茶な構成であるにも関わらず、ドンシャリ気味のいい意味で普通に聴いていて楽しい音に仕上がっているのには正直驚かされました。
低域・中域用にダイナミックドライバーを2発搭載していますが、「制動できておらず野暮ったいような邪魔な低音」ではなく、すこし盛り気味ながらも深いところまでしっかりと芯の通った音を鳴らしてくれます、正直これは予想外。ボーカルは気持ち遠めな印象で、耳元でボーカルを濃厚に聴かせるタイプのイヤホンではないかなと感じました。
高域は超高域用と高域用のBAを2発搭載、実際に聴いてみるとBAらしい金属的な鳴りを感じつつも、キツさを感じるような刺さりはありません。こちらもイヤな篭もり感はなく、価格なりの苦しさは感じますが、伸びるところはしっかりと伸びてハイハットの細かい音も丁寧に拾ってくれています。
マルチドライバー機特有の独特な立体感や音の濃さを感じられ、解像感や音の分離感も良い、この価格帯でマルチドライバー機として破綻せずに一定のバランスを保って成立しているのには本当に驚かされるばかりです、凄い。
リケーブルして聴いてみた
Wooeasy KZX4128 KZ ZS3 アップグレードケーブル 2pinリケーブル 0.75 4芯イヤホンケーブル (for ZS3)
- 出版社/メーカー: KZX4128
- メディア: エレクトロニクス
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Amazonで売っているアップグレードケーブルもなぜか売っていたので購入、早速聴いてみました。
端的に言うと「ボリュームを上げたくなる音」に変化する、という印象です。
明らかに全体的な解像感が向上し、特に中高域は篭もりが取れて晴れたような印象を受けます。一方、低域も一層芯がしっかりとして締まった音に変わってくれるように感じました。音に関しては、あまりリケーブルに良いイメージがなかった私自身も認めざるを得ないくらい変わったというのが率直な感想です。さらに純正ケーブルの取り回しの悪さや安っぽさもこのケーブルに変えることで改善しますね。
ZS5が元から持つバランスの良さを崩すことなく、さらにレベルアップさせてくれるケーブルではないでしょうか。Amazonでは1300円程度ですが、これはイイと思いますよ。
さらにZS6が…
新のKZ ZS6、
— HCK Earphones (@hckexin) 2017年8月29日
今、前売り!
①2DD+2BA
②金属製筐体を採用する
③2Pinコネクタ
④3色→黒緑赤
2-4週間待ちm(_ _)m
RT&フォローしてくださった方から抽選で2名様にKZ ZSEをプレゼント!(ランダム選択)https://t.co/LN96Vn8TLv pic.twitter.com/SghNTmvwZb
ここに来て 金属筐体を採用したKZ ZS6が登場、もうZS6のグリーンは正直アウトな気がしますが…。
まとめ
2DD+2BAとはいえどうせ安いからダメなんでしょ、とバカにしていたのですが聴いてみて本当にビックリしました。先程も書きましたが、この価格でしっかりとしたマルチドライバーイヤホンとして成立しているのは本当に凄いです。
もちろん数万円クラスの高級機に音の面でのアドバンテージがあるのは確かです、当然でしょう。ただ、聴いていて飽きさせることのない良くまとまった音ですし、装着感もまずまず、すでに高級機を持つ方が普段使い用のサブ機に買うのもアリですし、この価格帯のイヤホンとしても選択肢の一つに入れてもいいのではないかとすら思ってしまいます。
U5000クラスでは個人的に推しているfinal E2000やEN120、SORAなどといった有力な機種がすでに存在し、ある程度のレベルに達した機種の中でも好みで選べる時代になってきていると感じています。プロダクトとしての完成度で考えるのであれば、E2000やEN120は凄いところに位置していると思いますし、誰が買っても満足できるイヤホンだと思っています、実際私もE2000が欲しい。
一方でいい意味でも悪い意味でも中華イヤホンらしい遊び感を感じさせつつも、音はしっかりとまとめて来ているKZ ZS5。中華らしいクオリティやデザインでのマイナス面を納得できる方には十分この価格帯での選択肢の一つになりうる一本だと思います。
KZ ZS5 高音質 2ダイナミック&2バランスド・アーマチュア 4ドライバ搭載 2pin 0.75mm イヤホン (グレーマイク無し)Wooeasy
- 出版社/メーカー: Wooeasy
- メディア: エレクトロニクス
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*1:まぁ私自身はこのイヤホンに関しては中華ですしネタとして笑っていましたが、そんなわけにはいかない方々も一定数いますよね…