(2019年 6月新車)トミカNO.11 エンツォ フェラーリ
とても久々なトミカの新車紹介。全く意識したわけではありませんが、最後に紹介したのもフェラーリだったんですね。
「新車」というには疑問符が残る車種ですが、2000年代前半のスーパーカー史を語る上では欠かせない一台であることは間違いないスペシャルな一台。早速紹介していきましょう。
(2019年6月新車)トミカNO.11 エンツォ フェラーリ
F40・F50の系譜を継ぎ2002年にデビューしたフェラーリのスペチアーレモデル、エンツォ。フェラーリ社創業55周年を記念してローンチされたモデルであり、そのモデル名は言うまでもなくフェラーリ社の創業者、エンツォ・フェラーリ氏に由来します。F60と名乗るのではなく、あえて創業者の名を冠するしてデビューしたという事実に凄みを感じます。
当時ピニンファリーナに所属していた日本人デザイナー、奥山清行氏がデザインを担当したことでも知られるこのクルマは「限定モデルは欲しがるカスタマーの数よりもよりも一台少なく生産しろ」というエンツォ氏の教えに従い当初399台が限定生産されましたが、後に400台目がチャリティーのために生産されたそう。日本には33台が正規輸入されたのだとか。後にエンツォをベースとしたサーキット専用モデル、FXXが限られた顧客のためにローンチされています。
Ferrari Enzo V12 Acceleration & Downshift Sounds 2016
カーボンを多用したボディにミッドマウントされたのは当時エンツォ専用に開発された6L 自然吸気V12。このエンジンは後に599やF12ベルリネッタ、さらに現行モデルである812スーパーファストといったFRのV12モデルにも採用されるエンジンのルーツでもあります。
フロントマスク。F1マシンのようなフロントノーズは、当時F1で飛ぶ鳥を落とす勢いだったスクーデリア・フェラーリの強さを物語るかのような存在感です。そのシャープな印象を全く損なわない再現度ですね。
そのフロントノーズ、今回のトミカでは何とシャシー側も含め驚きのシースルー構造。すごい力の入れようです。
サイドから。コックピットはまるで戦闘機のキャノピーのよう、よく指摘されがちなドアの開閉方式のネーミングは”ガルウイング”ではなく”バタフライ”ドアです。腰高感も感じさせず、実車のスタイリッシュなイメージが伝わってきます。
リアから。2010年代のスーパーカーに比べるとトラディショナルな印象を受けるリアビューですが「普通」のクルマたちとは明らかに一線を画すオーラが放たれています。リアディフューザーの存在感がとてもすごい。
ルーフ側から。まるでクルマではないかのような見た目です。エンジンルームからはV12が顔を覗かせていますね。
初回特別仕様
争奪戦必至の初回特別仕様はボディラインの抑揚がはっきりと現れるシルバー。あくまでも推測ですが、シルバーを纏ったエンツォは相当個体数が限られるのではないでしょうか。マーケットに現れたりしたら我々庶民には到底信じられないような価格で取引されていそうです。
シルバーはエンツォのとても特徴的なボディの抑揚がとてもはっきりと伝わってきますね。いい意味での機械感が伝わってきてとてもかっこいい。
ラ・フェラーリと
2010年代のスペチアーレモデルといえばラ・フェラーリ。どちらも只者ではない存在感を放っていますね。
昨年8月にはフェラーリがトミカシリーズにカムバックする第一弾としてトミカ化も果たしています。
こうして並べてみるとエンツォとラ・フェラーリの間には10年分のデザイン面での時代の流れを感じます。ラ・フェラーリの近未来感漂うデザインか、はたまたエンツォの芸術品として完成されたような美しいデザインか。新しければイイというわけではなさそうです。
2010年代にもマクラーレン P1、ポルシェ 918、ラ・フェラーリといった特別なハイパーカーたちがローンチされましたが、いずれも内燃機とモーターを組み合わせたハイブリッドモデル。一方の2000年代といえば、SLRマクラーレンやポルシェ カレラGT、さらに今回紹介したエンツォなど、純粋に内燃機のみを動力源とした魅力的なハイパーカーが多数ローンチされた時代でもありました。
F1のパワートレーンの変遷とも一致しますが、純粋に内燃機のみでパワーやサウンドを追求できたハイパーカーとしては最後の世代のクルマたちなのかもしれません。
まとめ
ラ・フェラーリがトミカとしてデビューしてからまだ一年足らずですが、このブログでは紹介していないモデルも含めたくさんの魅力的な跳ね馬たちがトミカシリーズでデビューしています。ラインナップ的には偏りすぎ感も否めないのかもしれませんが、トミカを手に取る世代にとっては「スーパーカー=フェラーリ」というのはやはり分かりやすいアイコンであるのも事実。この先のラインナップの展開にも注目です。
今回のエンツォも争奪戦は必至。特に初回特別仕様は予想以上にエンツォのかっこよさが感じられるカラーで、筆者自身も早起きして買いに行った甲斐がありました。ラ・フェラーリ同様に気合の入った一台だと思います。